逆子の治療｜太田市の岳陽堂接骨院・鍼灸院

胎児が小さなうちはお母さんのお腹の中で自由に動き、さまざまな体勢をとることが自然なので、妊娠8ヶ月（28週目）までは逆子であっても全く問題がありません。妊娠28週の時点では約50％が逆子だと言われています。

妊娠8ヶ月を過ぎて、だんだん大きくなってきた赤ちゃんは、子宮内で体勢を変えにくくなってきます。30週を超えると約14％の赤ちゃんが逆子の状態です。

逆子の赤ちゃんには理由があります。

代表的なものは次の通りです。

①子宮が硬く、体勢を変えようとしても動けない。

②お腹が冷えている。

③へその緒が赤ちゃんに絡まっている。

④子宮筋腫などの病気がある。

⑤胎盤のついている位置に異常がある。

⑥子宮内の羊水が少ない。　

⑦赤ちゃんの身体機能が弱く、体勢を変えられない。

これらのうち③～⑦が原因の逆子は全体の3～5％ほどで、鍼灸では治すことが出来ません。

残りの95％を占める①②の理由の逆子であれば、鍼灸で十分に改善が期待できます。

では、どういうメカニズムで鍼灸で逆子が治るのでしょうか。

逆子が元に戻るには、お母さんの子宮内の血流量を増やすことが必要ですので、子宮内の血流を活発にするツボに鍼や灸をします。

子宮への血流量が増えると、子宮の筋肉が緩み、子宮内の空間が広がって、赤ちゃんが動きやすくなります。また、へその緒の血流量が増えることで、胎動が活発になります。結果、赤ちゃん自身ででんぐり返しをしやすくなり、正常な位置に戻るというわけです。

鍼灸で治すことが出来ない上記の逆子の原因③～⑦以外にも、逆子を治してはいけないケースがあります。

 逆子治しをしてはいけないケース

 ・切迫早産の危険がある人

・足位（逆子の状態で下に向けて膝や足を延ばしている状態）　→　羊水を蹴破ってしまう危険性があるため。

鍼灸では治らないケースや、逆子治しをしてはいけないケースの判断は産婦人科医しかできません。当院で逆子治しの治療をする前に、産婦人科の先生に鍼灸で逆子治しをしても良いか許可をもらってから来院ください。

次に、当院での逆子の鍼灸治療の具体的な手順を説明します。

問診の後、施術ベッドに横向きの楽な姿勢になっていただき、腰、足のツボに鍼をします。肩こりがあれば、肩背中のツボにも鍼をします。10分程そのまま刺しておきながら、足のツボにお灸を行います。その後、反対向きも同様に行います。

鍼や灸と言っても、太い鍼をブスブス刺したり、悲鳴を上げるような熱い灸をするわけではありません。お母さんの身体とおなかの赤ちゃんに優しい刺激の鍼灸ですのでご安心ください。

最後に足のツボ２か所に印をつけます。患者さん自身で出来るお灸を購入してもらい、その場所へ自宅でお灸をしてもらいます。（やけどにならないお灸です）

週一回の当院での治療と、毎日の自宅でのお灸を続け、産婦人科の検診で逆子が頭位に戻っていれば治療は終了。もしまだ戻っていなければ二回目の治療を行います。

早い方ですと１回で、また、１回で治らなくとも２～３回の治療で頭位に戻る方がほとんどです。

お母さんのお腹の中で赤ちゃんが活発に動きやすい３０～３３週くらいまでが治療成績は良好ですので、産婦人科の先生に許可をもらったら、なるべく早目の治療をお勧めしています。